卵は1日何個まで、という話の中身
コレステロールの上限値が撤廃された経緯、卵のタンパク質と栄養、加熱方法で変わる吸収率を整理しました。数え方の目安まで示しています。
この記事で分かること卵の摂取上限が撤廃された経緯を出典つきで示し、生・半熟・固ゆでで吸収率が変わる数字を並べている

「1日1個まで」の出どころ
コレステロールの摂取量に上限が設けられていた時期がありました。現在は変わっています。
| 資料 | 扱い |
|---|---|
| 日本人の食事摂取基準(2010年版) | 成人男性750mg未満、女性600mg未満の目標量 |
| 日本人の食事摂取基準(2015年版以降) | 上限値を設定しない |
| 米国の食生活指針(2015-2020) | 1日300mgの上限記述を削除 |
食事から摂るコレステロールと血液中のコレステロール値が、そのまま比例するわけではないためです。体内で作られる量の方が多く、食事の量に応じて調整が働きます。
ただし、上限がないことは「いくら摂ってもよい」という意味ではありません。食事摂取基準は、上限を設定するだけの十分な根拠がないことを理由に挙げています。
卵1個の中身
| 項目 | 1個(Mサイズ・可食部50g) |
|---|---|
| タンパク質 | 6.1g |
| 脂質 | 5.1g |
| 炭水化物 | 0.2g |
| kcal | 71 |
| コレステロール | 約185mg |
タンパク質1gあたり11.6kcalです。鶏胸肉(4.5kcal)と比べると、カロリーがかかります。卵は脂質を一緒に摂る食品だからです。
卵に入っている栄養
| 栄養素 | 内容 |
|---|---|
| ビタミンA・D・E・K | 卵黄に入る |
| ビタミンB12・葉酸 | 卵黄に多い |
| 鉄・亜鉛・セレン | 卵黄に多い |
| コリン | 卵黄に多い |
ビタミンCと食物繊維は入っていません。 卵だけでは足りない栄養があります。
卵白と卵黄で分ける場合
| 部位 | タンパク質 | 脂質 | kcal |
|---|---|---|---|
| 卵白(33g) | 3.4g | 0g | 15 |
| 卵黄(17g) | 2.7g | 5.0g | 56 |
卵白だけならタンパク質1gあたり4.4kcalまで下がります。カロリーを抑えたい時期に卵白だけを使う方法がありますが、ビタミンとミネラルの多くは卵黄側にあります。
加熱で吸収率が変わる
| 状態 | タンパク質の吸収率の目安 |
|---|---|
| 生 | 約50〜65% |
| 加熱(半熟・固ゆで) | 約90%以上 |
生の卵白には、消化を妨げる成分(アビジン・オボムコイド)が含まれています。加熱するとこれらの働きが弱まります。
ただし、加熱しすぎると一部のビタミンが減ります。 半熟が、吸収と栄養の両方でまとまりのよい状態です。
数え方
1日のタンパク質の目標に対して、卵で何g分を取るかを決めます。
| 個数 | タンパク質 | kcal |
|---|---|---|
| 1個 | 6.1g | 71 |
| 2個 | 12.2g | 142 |
| 3個 | 18.3g | 213 |
| 4個 | 24.4g | 284 |
1日100gが目標なら、卵3個で18gです。 残り82gを他の食品で埋める、という見方をします。
相談が必要な場合
- 脂質異常症の指導を受けている方は、卵の個数について主治医・管理栄養士の指示に従ってください
- 卵アレルギーのある方は摂取しないでください
- 家族に高コレステロール血症の方がいる場合、体質として食事の影響を受けやすいことがあります
当サイトでは治療に関わる判断は扱いません。
よくある質問
- 卵は1日1個までですか
- 日本の食事摂取基準では、2015年版からコレステロールの上限値が設定されていません。健康な人が個数を1個に限る根拠は示されていません。
- 何個までなら問題ありませんか
- 明確な上限は示されていません。ただし脂質のカロリーは加算されるため、1個71kcalとして数えます。脂質異常症の指導を受けている方は医師の指示に従ってください。
- 生と加熱でタンパク質の吸収は変わりますか
- 変わります。加熱した卵の方が吸収率が高いという報告があります。生卵では白身のタンパク質が消化されにくくなります。


