糖質を減らすと筋肉が落ちると言われる理由
糖新生とグリコーゲンの話を分けて整理し、実際に落ちているものが何か、落とさないために変える3つの点をまとめました。
この記事で分かること「筋肉が落ちる」と言われる現象を、糖新生・水分・カロリー不足の3つに分解し、どれが本当に筋肉かを示している

3つが混ざって語られている
「糖質を減らすと筋肉が落ちる」という話には、性質の違う3つが混ざっています。分けて見ないと、対処のしようがありません。
| 起きていること | 本当に筋肉か | 戻るか |
|---|---|---|
| グリコーゲンと水分が抜けた | 筋肉ではない | 糖質を戻せば戻る |
| 糖新生でアミノ酸が使われた | 一部そう | 摂取量で変わる |
| カロリーが足りず体が分解した | そう | 足りれば止まる |
1. 抜けているのは水分
グリコーゲンは、1gにつき約3gの水分と一緒に筋肉と肝臓に蓄えられています。体内の蓄えは300〜500g程度です。
これが減ると、1〜1.5kg前後の水分が一緒に抜けます。糖質制限を始めた直後に体重が動くのは、ほぼこれです。
見た目にも影響します。筋肉の張りが減り、しぼんだように見えます。糖質を戻せば数日で戻ります。
2. 糖新生
体は、糖質が入ってこないときに、タンパク質(アミノ酸)から糖を作ります。 これを糖新生と呼びます。脳や赤血球が糖を必要とするためです。
このとき使われるアミノ酸は、食事から入ってきた分が先です。食事のタンパク質が足りないと、体の筋肉が使われます。
つまり、糖質を減らしたこと自体が原因ではなく、タンパク質が足りていないことが原因です。
3. カロリー不足
主食を抜いた分を何でも埋めないと、1日の摂取カロリーが大きく落ちます。
| 減らしたもの | 減るカロリー |
|---|---|
| ご飯 茶碗1杯 | 約230kcal |
| 食パン 6枚切り1枚 | 約150kcal |
| うどん 1玉 | 約240kcal |
3食で主食を抜くと、埋めなければ1日600〜700kcal減ります。この幅は大きすぎます。 体は足りない分を脂肪と筋肉の両方から取り出します。
落とさないために変える3つ
| 変えるところ | 目安 |
|---|---|
| タンパク質の量 | 体重1kgあたり1.6〜2.0g(体重60kgで96〜120g) |
| 減らすカロリーの幅 | 総消費カロリーから300〜500kcalまで |
| 筋トレの頻度 | 週2回以上。刺激がないと保たれにくい |
3つのうち1つでも欠けると落ちやすくなります。 順番としては、まずタンパク質を確保してから糖質を減らします。
確認の仕方
体重だけを見ていると、水分・脂肪・筋肉の区別がつきません。
- 体重と一緒に、扱える重量と回数を記録する
- 重量が2週続けて落ちるなら、カロリーかタンパク質が足りていない
- 体重が変わらないのに重量が上がっているなら、中身が入れ替わっている
記録は体重よりトレーニングの内容の方が読みやすいです。
よくある質問
- 糖質を減らすと必ず筋肉が落ちますか
- 必ずではありません。タンパク質とカロリーが足りていれば、落ちる幅は小さくなります。落ちる原因は糖質そのものより、総量の不足にあります。
- 体重が急に落ちたのは筋肉が減ったからですか
- 最初の1〜2週間はほとんどが水分です。グリコーゲン1gにつき約3gの水分が一緒に蓄えられているためです。
- 見た目がしぼんだのはなぜですか
- 筋肉の中のグリコーゲンと水分が抜けると、張りが減ります。糖質を戻すと元に戻ります。


